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詩人の血
コクトーの『詩人の血』に学んで
DATE: 2018/09/07(金)   CATEGORY: 自由詩
詩人 立原道造
薊の花のすきな子に(立原道造)

風は或るとき流れて行った
絵のような うすい緑のなかを
ひとつのたったひとつの人の言葉を
運んで行くと 人は誰でもうけとった

ありがとう ほほえみながら
開きかけた花のあいだに
色をかえない青い空に
鐘の歌に溢れ 風は澄んでいた

気づかわしげな恥じらいが
そのまわりを かろい翼で
においながら 羽ばたいていた

何もかも あやまちはなかった
みな 猟人(かりうど)も盗人もいなかった
ひろい風と光と万物の世界であった
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