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詩人の血
コクトーの『詩人の血』に学んで
DATE: 2009/01/08(木)   CATEGORY: 自由詩
音楽漂う彼岸
その路地を折れると
潮騒のざわめきが聞こえて
いよいよ 近いとわかる

南中を前にした
海は輝いている
青く霞む山々は急に海へ落ちていて
赤い灯台が静かに佇む

寄港する 白い船ら
海の反射光域に入ると黒影と変わり

この潮騒に溶けていった

輝きを増す 海
キラキラと幻惑の音を立てて
たゆたう時を
この岸辺と共有する スリル

彼岸の海辺で
丸く 丸く 海にねられ 
石ら
小石を積み
小さな塔を建ててみる

流砂の時に

風は呼ぶ
波音は帰る
思い出のあの海へ


波打ち際に向かって
砂と小石で
要塞をせり出す
この海での約束
永遠の砂遊び

波は岸を這うように延びてきて
白色の泡の舌が有機生物のように
要塞に襲いかかり
かき消える

皆 歓声をあげて
この破壊の儀式を見守っている
そして 波が引き始めた瞬間から
偉大な建設の始まりだ

砂団子を波打ち際 最前線に作る子
本丸を小石で強固にする子
深く掘りをめぐらす子

歓声が彼岸の岸辺に風とともに舞っている
皆 この波との闘いに一生懸命だ
波は童心を見透かすかのごとく
沖に大きな波を用意している

波との戯れは続く
子らと海の果てない遊戯
日の暮れるまで

私は海へ帰る
私は海へ回帰する
まるで あの魚たちのように

私は佇む
この彼岸の岸辺
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