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詩人の血
コクトーの『詩人の血』に学んで
DATE: 2012/01/11(水)   CATEGORY: 自由詩
霧の中で
曇天の朝に
湖面に霧が立ち
白鷺が羽根を休める
岸の大樹は冬枯れている

湖水が濁って
錦鯉の影は時々に
色をおぼろげに増しながら
湖面は波が乱れて水ぬるみゆく

時すでに南中を過ぎて
黒雲下り来て
白綿の雪
舞う

針も餌も無い
釣り糸を
静かな湖面に垂れ
自然と語らう仙人への驚愕
DATE: 2012/01/10(火)   CATEGORY: 自由詩
ある婦人の眠り
明日へと繋がる
冬枯れた道
いぶした色彩の路地

ひっそりと眠っている住宅街に
常緑の緑 生垣が輝いている場所

ちらりほらり八重咲きの椿
その紅の色を燃え立たせて
沈黙の空に向かって咲いている

良く刈り込まれた垣根
緑に埋め込まれた紅は
色彩が運動していて
今にも飛び出してきそうな様子

乾いた空に浮かぶすぢ雲
上を見上げる
紅く激しく赤い椿


空の鏡に大地の緑と椿の紅が映り
反転した空の大地に
希望の太陽が光っていて

今日 一日
正しく陽を回して

午後三時の日向は
横たわる婦人の寝息

静かにカーテンが揺れていて 
DATE: 2012/01/09(月)   CATEGORY: 自由詩
月の夜
乾ききった空気に
月の雫が大気に滴る
満月は沈黙が破られ

多くが電話回線を通じて語られる

夜を凝視して
天空の輝きと
このひっそりとした地上に
遠く回線は繋がりながら
PCの画面で密かな楽しみを味わう

月光が甘く
狂気の振りをして
私の窓辺にやって来て

感情を浮遊させる
血の濃くなりだす
この月光に肌を晒していると
順次 体毛が銀色に染まり始める

月光を浴びきって
暗い銀盤で泳ぐ 
夢のように昏い

弱い光の雫が垂れてきて
乾いた大地に染み込んで

憑かれたように
幾つも穴を掘る
ライトを降ろす

まるで魂の入れ物のように

夜景の光に魂が集まり
瞬いている

乾いた空気が
カァンー カァーンと鳴って

満月の夜は
穴だらけだ

月光と夜景の灯が混じり合う場所では
DATE: 2012/01/06(金)   CATEGORY: 自由詩
個人史
高安国世作品集めくりつつ今この人の歴史食っている


作品集 手にした時は見晴らしのいい尾根の縦走 単独行


詞華集 初めて受け取る花束はそわそわする昼下がりの一ページ


一首一首味わって一歩一歩見通せる山頂へと近づく個人史作品集は


情念の強度が人をして文芸へ向かわせているこの晴天続きに
DATE: 2012/01/06(金)   CATEGORY: 自由詩
ビックバン
冬枯れの小道
黒雲と白雲がせめぎ合い
空から漏れる陽光は真っ直ぐに
希望を伝えていた

丘に登ろう
夢いっぱいの胸を秘めたまま

野薔薇の可憐な花を花瓶に活けて
朝日のあたる東の窓辺に置こう
華やいだDKに醸し出される輝きや夢を食べてしまえ

そして一編の詩文を丁寧に編んで
諸天善神に捧げよう

花と常緑の緑と鈴と香
朝夕の勤行を定刻に進めて

銀河のリズムに同期したなら
ゆっくりと地球霊化が進む

香りが滲み出てくる この身体に
髭曼荼羅に描かれた世界が湧き出て
華やいだ仏間が世界を包む

この地球をやすやすと手の平に乗せる
仏菩薩で太陽系は満たされているから

大丈夫 友よ
生きて死んで
この銀河果てても続く輪廻転生を楽しもう
常住の仏らと会話を交わす

次のビックバンは何時にしよう…
DATE: 2012/01/04(水)   CATEGORY: 自由詩
DKより
私が座る椅子
DKの窓側だ

東向きに窓が切ってあり
揚々たる午前の陽光が眩しい

日溜まりに柊の植え込み
ヒタと止まった 時 陽光 
耳を澄ますと遠く光合成の音がした

なあ 君よ
私の居る椅子を地獄の最下層としようか…

あらゆる負の感情の吹き溜まりの
逆円錐の下の頂点としよう
ドロドロのタールが頭上に見える

しかし愉快だ
オセロの角を取った気分

ここ ここから
大白法の南無妙法蓮華経を唱える
朝に夕に負の感情の牙城を急襲
黒を白に浄化
埃を払い
掃除

地獄の最下層には
柊の花壇があって
日溜まりに
朝露がキラキラ珠のように光り

音楽が絶えず再生され
私の趣味の書架があり

そう この地球の地獄の最下層は

私のマンションのDKにある
DATE: 2012/01/03(火)   CATEGORY: 自由詩
新たな決意
この仏法 生きざま闘争 冬晴れに地球包むと決意の題目


ミゾオチに仏の残像留めつつ人とは 仏 正念の祈り


下腹に黄金の龍飼っている東北アジアに真の夜明け
DATE: 2012/01/02(月)   CATEGORY: 自由詩
砂浜幻想
電信柱をヒュウヒュウ鳴らして
細い路地を立て込んだ家々を縫って
雪混じりの烈風が吹きすさぶ
海辺のこの漁村

灰の空に白波の立つくすんだ蒼

太陽は南中に近く
早い雲間に隠れては照る
円満に輝いては鋭い雲は
鉤爪を伸ばしては
天道を翻弄した

強くあるいは弱く
浜辺の光度が変わり続ける
光のリズムが出来上がり
海岸が流動に晒されて

波・光・風
音波光波に満ち満ちて

凍えた体に烈風は染み渡る
このまま砂地に倒れこみ
胎児の格好をして
夢を織る

ランタンに点火したような
明るさで…

妖精たちが光の輪に集まりだした
ヒュウヒュウと風の音と
スースースー寝息が混ざる
灰の風に暖色の息
灰の海辺に春の広野が見えて

防寒具に包まれて
砂地で寝ころぶ

我 一人
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