二階の水槽
深海にうごめく魚はちょうちょうの幻燈点けてヒラヒラ泳ぐ
二階に上がると暗い海溝があって太古の魚らの息が聞こえる
屋根裏に熱帯魚の水槽静かに追憶の光を湛えている
大海を行きつ戻りつ鳥たちは雄叫び響かせ靄の海岸が撓う
二階に上がると暗い海溝があって太古の魚らの息が聞こえる
屋根裏に熱帯魚の水槽静かに追憶の光を湛えている
大海を行きつ戻りつ鳥たちは雄叫び響かせ靄の海岸が撓う
スポンサーサイト
朝に勝つ
ラジオヘッド「OKコンピュータ」より
エアーバック
次の世界大戦で
予期せぬ大災害で
俺は生まれ変わる
上下にスクロールするネオンサインのもとで
俺は生まれ変わる
*星間爆発とともに俺は再来する
世界を救うために
深い無意識の眠りの中、完璧な恐怖の中
エアーバックが俺を救った
疾走するドイツの車の中
生きていることが信じられない
エアーバックが俺を救った
トム・ヨーク 斎藤真紀子訳
*ラジオヘッドというロックグループの
「OKコンピュータ」というアルバムの
一曲目です。97年の作品です。
次の世界大戦で
予期せぬ大災害で
俺は生まれ変わる
上下にスクロールするネオンサインのもとで
俺は生まれ変わる
*星間爆発とともに俺は再来する
世界を救うために
深い無意識の眠りの中、完璧な恐怖の中
エアーバックが俺を救った
疾走するドイツの車の中
生きていることが信じられない
エアーバックが俺を救った
トム・ヨーク 斎藤真紀子訳
*ラジオヘッドというロックグループの
「OKコンピュータ」というアルバムの
一曲目です。97年の作品です。
ラジオ
ラジオ鳴る北からの風すきま風乾いた声の響く居間の陽
コリント式列柱にヘルダーリン隠れていてミステリーツアーの最中
旗揺れて都市の疾風は砂塵舞う大きな望み君は語れよ
コリント式列柱にヘルダーリン隠れていてミステリーツアーの最中
旗揺れて都市の疾風は砂塵舞う大きな望み君は語れよ
春の涙
不屈
郷愁の浮かぶ
放課後の校庭に雨 薫る雨 今もあるのか竹昇ル遊び
青空と前しか見ない我なればふいに浮かんだ過去に驚く
いつもいつも光の繭玉ミゾオチに浮かぶ船だから寂しくはない
青空と前しか見ない我なればふいに浮かんだ過去に驚く
いつもいつも光の繭玉ミゾオチに浮かぶ船だから寂しくはない
如来
仏を着る
原発の安全を祈念する
冥福を祈る
がんばろう!
地吹雪の海岸にあって石を積む手と手の温もり願いはかなう
胸開く夕焼け空にとばり降り灯下に残る昼の囁き
太陽が昇る奇跡に見上げれば希望たたえた青い空抱く
胸開く夕焼け空にとばり降り灯下に残る昼の囁き
太陽が昇る奇跡に見上げれば希望たたえた青い空抱く
内面の旅
果てのない内面の旅楽しくてこの世のものは全てが揃う
ミゾオチに彼岸の旅の入口が産まれた時から用意され
宮古島 我らが家は西向きでアナザワールドの夕日眺めて
ミゾオチに彼岸の旅の入口が産まれた時から用意され
宮古島 我らが家は西向きでアナザワールドの夕日眺めて
情念瀑布
眼前に溢れ返るはカルマ滝 負の情念よ我が前に落ちよ
眼前のブラックホールは針の穴 悪の実体最終処分
砂時計が流砂に埋まり始めて「時」が密かに進化している
人類の情念瀑布眼前に下方100メートル煙る滝壺
眼の前で負の情念を解放し大地が昇華 光は風
人々の憎しみ怒り悲しみ血の涙でできた瀑布の水量を管理している
眼前のブラックホールは針の穴 悪の実体最終処分
砂時計が流砂に埋まり始めて「時」が密かに進化している
人類の情念瀑布眼前に下方100メートル煙る滝壺
眼の前で負の情念を解放し大地が昇華 光は風
人々の憎しみ怒り悲しみ血の涙でできた瀑布の水量を管理している
寒空に
小雨の日燃やす紙幣はあの世へと持って行きなよ困らぬように
寒空に古本匂う部屋一人詩人の孤独をそのまま耐える
黄昏が息をひそめて寄り添って幼心に一つの灯火
寒空に古本匂う部屋一人詩人の孤独をそのまま耐える
黄昏が息をひそめて寄り添って幼心に一つの灯火
できる事
被災した幾百万の人々のつれなさ苦しさ思うこの快晴に
法力を地球内部に満たしつつ余震防ぐと心に決めて
2012の惑星直列までに地球を諭し人類に危害最小に持ってゆく祈り
法力を地球内部に満たしつつ余震防ぐと心に決めて
2012の惑星直列までに地球を諭し人類に危害最小に持ってゆく祈り
サクラ色
陽だまりに黄金の時がすーっと伸びる植物のあくびが風に混じって
陽光の自由の船出 我は行く権力の死肉を食う残る者ども
目を瞑り風の話を聴いている大地に佇む光の木々は
陽光の自由の船出 我は行く権力の死肉を食う残る者ども
目を瞑り風の話を聴いている大地に佇む光の木々は
春の悲しみ
知っている春の悲しみ新緑がポトリと落とす露あかく
天使らの殺害図る組織らの行く末知らず仏智はかなた
こんなにも美しすぎる青空にうつむいている影の多いことよ
天使らの殺害図る組織らの行く末知らず仏智はかなた
こんなにも美しすぎる青空にうつむいている影の多いことよ
春が始まった
朝の夢 春ほろほろと散り始め淡いピンクの風甘い
春の風パステルカラーを味わって弾けたソーダに映る微笑み
ポカポカと陽射しが誘う風の道うわぎ野に置き 駆けろ希望
春の風パステルカラーを味わって弾けたソーダに映る微笑み
ポカポカと陽射しが誘う風の道うわぎ野に置き 駆けろ希望
定型論
文字数にこだわりのない定型感 内韻叫んで風の調べか
短歌の息の根止めて日本晴れ大和の島に呪われてしまう
乱れ果て麦の畑に風吹いて定型衝動整えるに・っ・ぽ・ん
短歌の息の根止めて日本晴れ大和の島に呪われてしまう
乱れ果て麦の畑に風吹いて定型衝動整えるに・っ・ぽ・ん
台北~東京
灯下にて「自由」とノートに書き記しペンに滴り脳髄の汗
台北に着床したる原形A都市の喧騒 粘膜が枕
漢民族が大地と咬合して綴る沸点の書体は民を統一する
霧降りて幽玄白く街埋めて消えゆく影の足早の人
台北に着床したる原形A都市の喧騒 粘膜が枕
漢民族が大地と咬合して綴る沸点の書体は民を統一する
霧降りて幽玄白く街埋めて消えゆく影の足早の人
台湾旅情
アーケード場末は倉庫夜店らの明かり嘘つきガラリ空洞
地の龍の四門を守る宿り屋根 極彩色に跳ねる龍美
星と地と夜市始まる路地一つ上澄みの空に黒龍うごめく
地の龍の四門を守る宿り屋根 極彩色に跳ねる龍美
星と地と夜市始まる路地一つ上澄みの空に黒龍うごめく
祭典の日
血潮呼ぶ芸術祭の晴れ舞台幾万の友が雄叫びをあげる
歓喜のみ紙吹雪舞う文化祭鉄桶の団結ここにあり
アイドルの尻に焼き印が押されているらしい
焦げたアイドル納骨堂で歌ってよ踊ってよ
歓喜のみ紙吹雪舞う文化祭鉄桶の団結ここにあり
アイドルの尻に焼き印が押されているらしい
焦げたアイドル納骨堂で歌ってよ踊ってよ
わこうど
雨音にまどろむ午睡 団結の汗光らせて青年ほほ笑む
ほとばしる魂携え若人は春の助走を抜き去ってゆく
少年と老人だけの国は細い息ひきとって黄昏さえ暗い
果物が永遠に若いままの冷蔵庫テーブルにランチプレート運ばれて
ほとばしる魂携え若人は春の助走を抜き去ってゆく
少年と老人だけの国は細い息ひきとって黄昏さえ暗い
果物が永遠に若いままの冷蔵庫テーブルにランチプレート運ばれて
赤い雨
| ホーム |