FC2ブログ
詩人の血
コクトーの『詩人の血』に学んで
DATE: 2006/11/09(木)   CATEGORY: 自由詩
今日も世界に血が滴って
きっと 世界に血が滴っていて
この地球の自転に関与していて
血判のため採られたり
自由のため流されたり
人命救助のため輸血されたり
蚊に吸い取られたり

世界に血の意味を求めて
採血されたりする

きれいな ヘモクロビンの赤を見たくて
試験管に採る
光に透かしたり
比重を計ったり

一通り終えたら
神のふるい 遠心分離をかける

血清と血沈が
油と水のごとく
きれいに分離する

善と悪 
昼と夜
男と女

世界に血が通っていて 滴っていて
血に今日も意味を見つけようと一生懸命

君よ 今日も夜がふける

スポンサーサイト
DATE: 2006/11/09(木)   CATEGORY: 自由詩
夜の陰画
闇の透き通り始めた陰画は
宵宮の日の真夜中に
電信柱に貼り付けられた

霊視と解析の挙句の果て
夜は解体され統合され

果てしない陰画の夜は
たるんだ夜空に掲げられ
黒い光に たなびいた

夜の陰画が掲げられた
路地の掲示板に気配が漂う

野獣が鼻を利かせ にじり寄る
どす黒い欲望の有機体のゆがみ
そして獣のさがは分泌物に溺れる
酩酊のよどみに喘ぎつつ
陰画に邪視を乱射する
 
誰として 歓声を上げるでも無く
暗い路地の掲示板の前を通り過ぎる 

その冷たい足音 夜を目覚めさす
彼らの蹴る舗装道路の下から

白光の天使たち 生成し
夜の陰画を祝福する
DATE: 2006/11/09(木)   CATEGORY: 自由詩
アメリカへサイスの神官のごとく

青く
触れると
消え入りそうな


ここ
我らが母体
青の時間船
地球号

ここ
こころと
からだを
養う

青の
時間船
地球号
 *
大航海時代・・・
ヨーロッパからの
新たな衝動が見える・・・
新天地
アメリカ・・・

ああ 
自由で神秘の
野火が
見える
それは 昔語りの
勇者の思い出か・・・
広大な 大地よ
 *
愛を力に
アメリカよ
その
正確な
軌跡を
描け
 *
自由の 巨大な
巨大な 砦 そして 

綻びの 微塵さえ 見えぬ
ガラスと鋼鉄の
摩天楼

屈強な肉体

自由な魂 だから
謳歌せよ 心から 謳歌せよ

なぜなら
君らは
若々しく
宇宙に伸びる 魂
新しき文化期の
芽生え
 *
我ら古き者ども
君らのライフスタイルを見る
驚愕に続く
驚愕で
思わず目を細めたくなる
 *
少年達よ
新しい道具で
新しいルールで
新しい遊び方!
その一日は創造の一日
日が暮れるまで
遊び抜く・・・

そして夜が来たなら
部屋で 星々の子守唄のなか
眠るがいい

君が新しい
開拓を夢見るとき
星々の瞬きは
祝福のように
その輝きを
増すだろう
 *
アメリカよ
おおいなる
アメリカよ
 
戦火の
穢れを
知らぬ 大地よ
大地よ
 *
あの日
誰もが
目を疑った
あの日
バベルの塔の崩壊・・・
などとささやかれた日

しかし
超高層のビルを目にしたものは
なにを以て
バビロンと呼ぶのか・・・

世界中に
遍く摩天楼の世界は
あのバビロンの大淫婦で
みちみち
溢れ返っているとでも言うのか!
 *
ああ なんと美しい!
摩天楼の
夜景

人は堕ちた星
天から堕ちた星
などと言われた・・・

この最上階の
ラウンジ
恋人達や
友人
知人の
ささやき声 笑い声

私は一人カクテルをなめながら
この美しさに
魅せられている
確かに
今にもまたたき始めそうな
夜景に
「美しい 美しい」と何度も
心の中で繰り返す
私がいる

会話がざわめき またたき
遠くの街の灯が またたき
満天の星々が  またたき

私は煙草に
火を付ける
満ち足りていた一日のため
そして そして
希望の
明日のための
しばしの
余韻の増幅

あっ 煙草の火・・・
またたきが一つ増えた と

ああ 神よ
これが 堕ちた星 人でしょうか
夜景のまたたきを見つめる
そこはかとなく
自らを思い
人を思う・・・
空に届く高さで

我々は
我々の知りうる限りの
全て
全てを
飲み込み
噛み砕き
消化し
思うのだ
 *
きっと これは
光のページェント
天国の夜に違いないと
 *
我ら 人間 大いなる人間
 *
天使でもなく
悪魔でもなく
まして
神でなどあろうわけもなく

自らに
物質主義を課した 人間
(瞑想は天翔ける神々の片鱗)

第三の道を歩む
新しい勢力 人間

天使も悪魔も
我らに従え
我ら 人間・・・

完璧な人体を
駆使する
神々 人間
(瞑想は ああ恒星間旅行のデジャブ)
 *
我ら
目的のために
研ぎ澄まし 磨いた
物質
つまり
機械を
創る事が
得意だ

(瞑想の産物たる)
(宇宙を観るだけでなく)

この視覚
この聴覚を
果ては第六感をも
機械で鋭敏化し
宇宙を観る

観て
計る

偉大なる究極の数値化

自らに 自らに
物質という 
制限を課した
我々・・・
 *
アメリカよ
全人類の
魂の
混血児よ
新しい天地よ
人類の総決算よ

牡牛座の司る
ここ 地球文明
ここ 物質文明 
この豊穣な収穫は
君たちの肩にかかっているのだ
アメリカよ

我ら
君らに
全人類の
記憶と希望を
託す

アメリカよ アメリカよ
我々は感じるのだ
やわらかく
やさしさに 満ち満ちた
慈愛の
白光の
波動を・・・

地球文明の
代表者
アメリカよ!

あらゆる
悲しみを
乗り越えて
行け!

あらゆる
悲しみを・・・
DATE: 2006/11/09(木)   CATEGORY: 自由詩
青銅の蛇
青く煙る 夕暮れ
窓から 黄昏の気息 忍び寄り
一人 聖書よむ 我
ロザリオ握り締め ラテンの呪文など唱え
夕焼けの紅 粗末な卓にかかり 青く遠く 紅 近く
偉大な日没を見入る もう夕べの祈りの時間
闇が音もなく滑るようにやってきて
このあたりもどっぷり闇につかる
燭台に焔ともし 十字架の前に跪き

夕べの祈り始めり 祈り始めり

すると 疾風 読み止しの本のページをめくり
雷鳴とどろき 黒雲あらわれ 驟雨 木々を濡らす
さらにさらに雷鳴近づき 
空気を震わし 風 逆巻き落雷する

ひるまず祈り続ける 我
続けざまに落雷する 雨脚ますます強く
窓際の床が濡れ始める
祈りの背後から気配がしている
その場の空間が気で歪み始めている
不協和音の連続のような感覚
異空間を通過しているような
切迫感をともなった 荘厳な重々しさがやって来た
 
祈りを中断 背後の窓を閉めようと振り向くと
窓から 立ち木伝いに 
青銅の色した身の丈ほどの蛇
激しく雨に打たれ 
そのなめし皮の鈍い光の肌 ますます光り
体半分 部屋に入っている
稲光がその体の影を大きく映し出す
ゆっくりゆっくり空間を歪め
まるで王のような優雅な面持ちで
体はもう部屋に入りきった
ドサッ 
窓枠から彼が床に落ちた音がする

青く鈍く稲光を照り返す 青銅の蛇
思惑ありげに その赤き舌 伸ばし
何かの 間合いを 計るごとく
音もなく ゆっくり ゆっくり 
その体よじらせ蛇行しながら 前へ進む
規則正しい宇宙のリズムをその身に宿す
その知恵で星と星の出会いの手助けし
ヘルメスの杖に巻きつく二匹の蛇は二重螺旋
明と暗 昼と夜とを統合する象徴の図柄で表され
自らの尾を噛むウロボスは永劫回帰表している
第三の眼に関わるクンダリニーは尾てい骨にとぐろを巻く

あらゆる良き知らせ青銅の蛇は
Copyright © 詩人の血. all rights reserved.